カウンター

ムカゴ飯の晩餐


f:id:namikazetateo:20231016105044j:image

数年ぶりのムカゴ飯。風連の道の駅でムカゴ一袋150円だった。夏に、「何を今一番食べたいですか?」と聞かれた時、鰻でも雲丹でも蟹でもなく、ホクホクしていて素朴な味わいのこれが浮かんだ。10月中旬の今時期だけ道の駅にたまたま出る珍品。1年に1度食べたいものの1つ。赤飯より黒飯に軍配上げる波風氏の好物。

 

ムカゴ浮かび龍之介『芋粥』を読み、読書会の宿題にして感想を交流した。少量の酒と塩を入れたムカゴの炊き込みご飯、懐かしい味がした。知人に土産だと渡したら、畑の長芋の脇芽に成って捨てたばかりだと言う。「食べられるの?あれ」なんて言う。「あれじゃなく、ムカゴ!」と念を押し、来年からは収穫して波風氏にくれるやう厳命(笑)。「あんなの好きな人もいるんだ」なんて笑われた。

 

幸福というのは人によって随分違うものだなあと、長芋よりムカゴの方が美味いと思う波風氏。焼き鰊、おでん、胡瓜の浅漬、そしてムカゴ飯、素朴な秋を噛みしめるご馳走。

http://booklog.jp/users/namikazetateo