カウンター

暮らしの手錠

が覚めて布団から抜け出して立ち上がり一息つく。身体がまだ半分寝ているのに、押入れに寝具の端を揃えて格納する決意をするのだ(笑)。
その儀式が先月末から終了した。洗顔と体重と血圧測定と着衣してからでも遅くないことに気付いたからだ。長い長い習慣が実にあっけなく終了した。

 

誌『暮らしの手帳』の表紙を見ていて、暮らしの手品、暮らしの手癖、暮らしの手垢・・・といつもの言葉遊び始まり「暮らしの手錠」と続き、布団片付け動作のことを思い出した。
無意識に続けてきた「こうしたらちょっと楽になるよ」は他にもっとありそうだ。手錠を外す鍵は、「楽になる方法」の気づき。布団敷きっぱなしも楽だが、高齢者のゴミ屋敷暮らしに近づきそうだから除外。そういう楽さじゃないんだよな。清く楽しく美しくの高齢者でい(行+生+逝)きたいんだよ。

 


創刊号(1948年)から今に続く花森安治作の『暮らしの手帳』のロゴ。しっかりしていて楽しく親しみがあって少しも古くならない。ずうっと続く価値を持つ雑誌にと願いを込めたデザイン■▲感銘受けた哲学者の言葉を再度読み始める。憲法が偏った考え方みたく喧伝される時代だから。お葬式の考え方と実例・手引きの本を手元に置く。暮らしの最終章を心が「楽になる方法」で迎えるための準備として。

【74歳の哲学⑫】好きなヒト(後編)

KAZUOイラスト 作品名あるが別になくても・・・・

闇で「世の中にはこんなに美しいヒトがいるんだ」と衝撃を受けたオードリー・ヘップバーン。生服・生帽・坊主(男子全員の校則)で観た『ローマの休日』のアン王女。その時から62年、未だこの衝撃を越える美人を知らない。人生一度きりの美人=初恋の大人のヒト。彼女は今もその素敵さを裏切らないが、好きと思えなくなってしまった唯一の理由は、彼女が波風氏を知らないからだ(笑)。恋愛対象になる好きなヒトとは互いに心が通じあえる人のことで、どんなに美しかったり可愛くても画面上だったり、一度も話したことの無い人とはありえない。

 

のきれいな人が好きだ。その対極がズルい人。昔は縁があり心行き交うこともあったが、自分本位で金と権威に汚く平気で媚びを売り嘘もつき、「何かの間違いでは・・・」と自分を疑っているうちにズルさも3度越えるとさすがにもういけない。その人たちはすべて男だから恋愛相手にはならないが、人を上手に操る技を持っているんだよなあ。
波風氏の思う心のきれいな人も、ズルい人も、老いるほどにその心模様が前より見えてきた。時間がかかるんだよ。善悪の境界線は愛を巡ることも含めて若い頃より曖昧になり、白黒だけでなく灰色もありなんだなと思うようになってきた。「ああゆうヒトになりたい」より「ああゆうヒトにはなりたくない」を意識するのは人間的完成の意外な近道かもしれないと思うからかなあ。

 

事なことは、自分が誰かに「好きなヒト」と思われることではないか。淡々と普通に暮らしていてそう思ってくれる人がいたらそれだけで乙な人生。「ああはなりたくない人」からどんどん離れ、小さな楽しみを色々なところに見つけて喜んでいるような、自分の機嫌を自分でコントロールできるヒトが波風氏の思う「好きなヒト」だ。誰かに評価されたり、どこかの見本例でなく、昔よりも今の自分の方がずうっと「好きなヒト」に思えたら毎日が楽しいし、きっと他の誰かにも好きになってもらえるはず。さてさて、前編と繋がる終わり方になったかな。


 漫画『いしぶみ』(サメマチオ作:ポプラ社)「原爆が落ちてくるとき、ぼくらは空を見ていた」を読む。ズルい総理の式辞から戦争の「反省」と不戦の言葉が消え、天皇陛下の言葉に救われる追悼式の日に。8月15日ぐらい心穏やかに過ごしたい■●▲ママヨさんに髪を切ってもらう。目と手先と我慢強さを永らえて下さい、そうしないと困るのです。

【74歳の哲学⑪】好きなヒト(前編)

KAZUOイラスト 昨年末の個展後、色々と試している感じ

論から書くと、そのヒトといると生きていて良かったなあと思わせてくれる人。子ども(=イラスト作者のKAZUO君)に教えて貰った「優秀だと思う人はどんな人」に行きつく。そのヒトを思うといつも懐かしい気持ちになったり、心がじーんと温かくなって嬉しくなる人のこと。今は会うことのかなわない人も含まれ、性別も年齢も波風氏との距離も関係が無い。

 

きなヒトって何だ?を考えていた。1ヶ月以上になるなあ。人にも聞き、困った時のAIにも聞いたらどこかで聞いたような分かりやすい言葉を次々と出してくれた。当然だが、ストンと落ちる回答は無かった。自分の好きな人のことを自分以外にわかるはずはない。だが、この疑問が、自分でも簡単に言葉に出来ない難題だということはよくわかった。これは実に、「74歳の哲学」にふさわしい命題に違いない。

 

とか疑問突破のために、質問の幅を狭め「恋愛の対象」に絞ってみることにした。すると、容姿とか仕草とか雰囲気がまず浮かび記憶のそれに支配され始めた(笑)。これはこれで興味深いが、波風氏には「外面的に好きなタイプ」の共通項は無いんだと断言できる(笑)。しかし、「内面的に好きなタイプ」は割合頑固に同じなようだ。

※書いていることは楽しいが、危険領域に入る不安も(笑)。『波風立男氏』とは想像上の人物なことと、若い時代の話として確認し、次回に続く。


夏目漱石『こころ』を半分まで読む。父親が危篤になり先生から分厚い手紙が来たところ。当地の夏休み読書感想文コンクールがなくなったらしい。理由がわかるから深刻■▲とても惹かれる相貌を仏像の写真集で。自分の仲間がいる昭和の子どもたちの写真集(土門拳)で■▼高校のクラス会8人で今年も開き、S君ご逝去を知る。高齢になるにつけ長生きは運だと思う。

http://booklog.jp/users/namikazetateo