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ネギ餅の夜

簡単、甘辛、腹持ち良し

 波風立男氏と永いつきあいの女性は、ほぼ『さばさば』系である。魚類の「鯖」でなく、性格が至極あっさりしていて、遠慮の度合いというか距離感が近くも遠くもなく、純朴で、温かく、たくましいと言う意味だ。小学校で、宿題忘れたらノートを見せてくれ、消しゴムなんかも文句言いながら貸してくれる隣の席の女の子が、そのまま大きくなった感じ。「ねっとり」「しつこい」「うるさい」の対局にある。勉強はできるが絶対に威張らない人。

 そのサバサバ系が、バタバタとやってきて夕暮れの薄暗い玄関で、波風立男氏が愛読する雑誌「住む。」のバックナンバー3冊を渡してくれた。「ブログに好きだと書いてあったのと、買ったけれど読んでないので…」なんて言う。用事があるからすぐ帰るというので「そんなの駄目だ」と言ったら、用事を終わらせて来てくれた。ママヨさんが知人のお通夜に行くので、「では、ご飯を作るので食べよう」ということになった。老後の、こういう関係=交友関係は本当に素敵だ。「何か必要なものはありますか?」というから「ネギが欲しい」と言ったら買い物に行き、ネギだけじゃなく、苺、どら焼き屋、昼に食べ残した生寿司なんかを袋から出してくれた。餅を口に入れながら、初級老人〜中級老人の区分について語りあった。「あなたは、今春から初級老人見習いになれるよ」と、中級老人に昇格する立男氏が厳かに伝えると、素直に喜んでくれた(笑)

 日本人で良かったとつくづく思う「ネギ餅」を一緒に食べる。少し油が多かったがサバサバ人と食べると、全然胃にもたれない。寿司も立男が全部食べてしまった。帰ってきたママヨさんと、苺をご馳走になった。波風家と親交のある女の人たち、揃ってサバサバしている人たち、はみんな元気かなあ。

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