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墓参りのドングリ

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故郷の高台にあるキリスト協会墓地。そこに父母が眠っている。急な不幸があり通夜の前に墓参りした。墓地の四方を松や栗や胡桃の樹が囲み、静かで懐かしい香りが心落ちつかせる。胸の前で十字切り、家族一同元気でやっている報告とこれからも見守って下さいと祈った。

 

帰りがけ、墓の背後の木立の根本に沢山の幼い緑があるのに気づいた。長い年月で自然に積もった落ち葉が布団になり樹木からの命のリレー。ここで毬栗や胡桃を拾ったことを思い出した。柏餅の葉と同じ考えで小枝を腐葉土から静かに引き抜いたら、根の途中に黒い種、団栗だ。
一緒に墓参りしてくれた叔母が、楢の木だよ、運良く根が付けば盆栽になると教えてくれた。いくつもの奇跡で芽吹いた命、波風家と縁があると言えば縁ある命、永らえて欲しい。

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