13日(土)の夜、評論家・加藤周一を取り上げたTV(NHK11時 ETV特集『加藤周一・その青春と戦争)。偶然に見る。五輪で深夜対応生活になり、「そろそろ寝るか」とチャンネルいじっていたらやってた。加藤の「青春ノート」8冊が発見され、詩や評論、翻訳が紹介された。万年筆で書かれた『字』が興味深かった。後年の「知の巨人」のノートには落書きもあった。 戦争とフアッシズムが荒れ狂う時代、自立した精神を持ち、時勢に埋没せずに生きた知識人。毎年、太平洋戦争開始の12月と、敗戦の8月に思う「羊の歌」。この評論の原本が「青春ノート」だろう。次の日、本箱から探してきて開いた。付箋貼った頁の「次第に国民服のふえて来ていた街を、旅行者のように歩いていた。旅行者は土地の人々と別の風景を見るのではなく同じ風景に別の意味を見出す」に鉛筆で棒線を引き、欄外に「旅人の感覚」のメモの文字。
老後は、漱石、周一、ひさし、健三郎を読むと前から決めている。何だか、誰もが旅人みたいな気がする。知性には、そんな感じがあるのだろうか。
今日、終戦から71年。新聞見出しに「老いる語り部 継承に苦悩 戦争体験者団体 解散続く」(8/15 朝日)
今日、終戦から71年。新聞見出しに「老いる語り部 継承に苦悩 戦争体験者団体 解散続く」(8/15 朝日)
『加藤周一文庫』(立命館大学所蔵)により、ノートのすべてを画像として読めるのが嬉しい。