カウンター

曲がり角から4件目

町内の一角に行きたい家がある。出窓に佇んでいる犬に会える。いつもいるとは限らないし、その方角は滅多に歩く理由がない。どうしても会いたい時は、「今日はいるかなあ。居てくれよなあ」と遠回りする。去年の夏、ご主人が犬と一緒にいて、まだ1歳でとても賢い雄だと教えてもらった。名前を聞いたが忘れた。

 

小さく手を振ったら、「誰かなあ、あのおじさん?」という顔。昨年の年末以来、今年初の再会。じーっと見て、「ねぇねぇ、知らないおじさんが手振ってるんだけどあれ誰?」という感じで家の誰かに尋ねるように首を回してる。前よりだいぶ大きくなったキツネ色の柴犬。手を大きく振ったら相手もガラス窓に貼り付いて熱烈あいさつ。両手を大きく振ったら飛び上がり激しく喜んでくれる。ママヨさんが、そのへんで止めたらという感じで笑ってる。ここ最近、いやここ数年、いやここ数十年、いやいやこの世に生を受けてこんなに全身で親愛の情を表して貰ったことはない(はず)。波風氏が誰かにあんなふうに全身爆発的自己表現を示したこともない。一度しておかないと「やっておけば良かった」と後悔残して逝くことになるかもなあ(笑)

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