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あっ、ごはん炊くの忘れてた!

波風氏のことではない。今読んでいる『あっ、ごはん炊くの忘れてた!』(椎名誠著:新日本出版社)。飾らないというか、ざっかけないというか、文字通り舌で感じる味のある文章。あの傑作『哀愁の街に霧が降るのだ』の作者が、変わらない生き方と感覚で金のかからないご飯とオカズを語る。

 

もやしバリバリ丼、カキピーガリポリ実記、「もってのほか」(菊の酢の物)日記、お餅の記憶、おじいのおじや、エビセン体質、クリームパンサスペンス、輝け郡山の「のり弁当」・・・うどんづくり大作戦、波風氏の日常的興味関心とピタリ重なる嬉しいスーパーエッセイ。あの東海林さだお氏とも、故池波正太郎氏とも全く違う「誰がなんと言おうと腹の足しになり本当に食べたいのだ」がガンガン迫ってくる。

 

この作者は、死に関する詳細な文章に出会ったり、鬱の体験知って読み始めた。哀愁のある元気な明るさは得難い。

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