鉄の焼き台で肉を焼いた記憶。だんだん暗くなる夕方、赤く熱された炭を囲み、家族と、友人と、教え子たちとワイワイ言いながら肉を食べた思い出。買ったのは30年ぐらい前だ。
もう使わなくなり鉄板も錆びて脆くなったが、四隅の足だけは確かだったので、内側に木で枠を作って補強しプランターにした。家に来る人たちは、この朽ちてボロボロの花台を「なんかいいですね」と言ってくれる。何かを感じさせるのだろう。
今年が最後、今年が最後と使い続け今日始末した。金切り挟みとペンチ使ったら紙をひねるようにあっけなかった。何かの縁で波風家にやってきて、「もの」としての役目を果たし切って黄色い一般ゴミの袋に収まった。
こういう記憶、ずうっと忘れないだろう。手間とらせない始末の有り様含めて。