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10月31日(土) 夢を見ない

namikazetateo2015-10-31

 雪降らず寒い曇りの日。昨日衝動買いした鶏卵大の実5つあるレモンの鉢植えに見とれる土曜午後。

 昨日来たお客さんが、亡くなった両親の夢をよく見るという。リアル過ぎて飛び起きることもあるらしい。立男はしばらく夢を見ない。小説「飛ぶ夢をしばらく見ない」(山田太一著)は、性と老い、つまり人生の核心を描いた大人のメルヘンの傑作だが読んだのは30代。あの頃は夢を見ることが多かった。
 食堂で自分にだけ注文品が来ないとか、思いがけないお金を手に入れた(起きてジャケットのポケットや財布を全部探した…当然無かった)とか、大学卒業して10年以上経つのに単位不合格でうなされたりだ。年末宝くじ一等に当たり喜びで無く鬱になってわめいたのもあった。飛ぶ夢もそのころが最後だったと思う。

 50代から繰り返し見る夢がある。今度夢を見るならまたこれだろうなあ。普段は忘れている部屋、何かの拍子に入り口のドアを見つける夢だ。1つは豪華な書斎。10人くらいで会議出来る広さがあり周囲はぎっしり本の詰まった書棚や音響設備もある部屋だ。もう1つは温水プール付きの風呂。湯気が立っていて、毎回「声が響くなあ」なんてつぶやいたりする。2つとも、ドアを開けて「この部屋のことをすっかり忘れていた。」と思い嬉しくなるのだが…それ以上に話が進んだことがない。部屋には未だ入ったことが無い。
 書棚を動かすとそこに自分だけの部屋(本気でやろうと思ったが予算が…)みたいな、家建てる前の夢想がまだ消えないのかなあ。それとも、飛ぶ夢が性と関わるとも言われることがあるが、秘密の部屋も心の何かを表しているのだろうか。


フランシスレイ「男と女」。70年代に劇場で観た。内容は覚えていないが暗闇で聞いたこの曲は忘れられない。あの頃の思い出が、だんだんと夢のように思えてくる。

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