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4月7日(火) 老いの通院記録

老後の知性と感性を磨く教科書です

 「夜、ごはん、めかじき煮付け、けんちん汁。今日一日、陽にあたり続けた。じいっと陽にあたっていると、体の中から、じゅんじゅんじゅんじゅんと毒素が出ていくみたい。木の芽がいっせいにふきかかっているからだろう…」(武田百合子著「富士日記(中)」の昭和44年4月7日から)。
 実際の波風家は「夜、ごはん、メンチカツ、キャベツスープ、胡瓜の塩昆布和え」、ご馳走の水準。「めかじき煮」ってどんなのかなあ。立男が高3のこの日、何を食べていたのだろう。ホッケとか南瓜とか納豆とかみたいな気がするが、全く思い出せない。中学卒業時、高校落ちたらコック修行に入るはずだった。丸いちゃぶ台か、四角いデコラのテーブルだけが鮮明に浮かぶ。

 朝8時、予約していたCT検査。受付で「予約は入ってませんね」の返事。「変だな。何かの間違いで無いかい?」(「間違いで内科医?」って出た。面白い)ってムッとしたら、「夜6時になってますよ」の返事。「こういう検査は朝早い」と「(区切りの良い)始まりの時間」のイメージで思い込んでいたのだ。偶然に空きありすぐ検査してもらえた。世間は老人に親切、間違いも迫真の演技(じゃなく真実そう思っていただけだが)で何とかしてもらえる…という教訓。帰りに郵便局で振り込み、「機械なら半額。教えます」とかわいい娘さんが懇切丁寧に。全然覚える気が無いので次も又教えてもらおっと。病院の待ち時間用に持っていた「老いの歌−新しく生きる時間に−」(岩波新書小高賢著)の効果なのか、見た目も支援必要なのか…。この本にある短歌で、笑ったりしんみりしたり…。先に読んで「すごく良い本」とママヨさん。それ立男が前に買ったのだ忘れていて図書館から借りてきて読み始めた立男、あ−あ−っ。そのうち、頭の中がもっと混線して終いにはどうでもよくなる日が来るのだろうなあ。ふ−ううっ。
 メカジキ煮ってどんなのかなあ。

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