カウンター

現代のメルヘン

namikazetateo2014-10-03

 「波風立男氏の絵はがき展」が、原野に建つ赤煉瓦の喫茶店ギャラリーで開かれている。今までブログで使ってきたのを何枚か並べた。街から結構離れた酪農の地、元は牛を飼っていた婦人が一人で住んでいたという住宅を改造した素敵なお店だ。その由緒正しい店で、何だかふざけた題名の展覧会が催されているわけだ。「実名が波風立男っていう人かと思った」とか「波風立男っていう人に来た絵はがきが並べられているはずだ」なあんていう面白い話も聞いた。お店の売り上げには全然貢献しないだろうから申し訳ない気もするが、3組分しかテーブルが無いのが少し気を楽にする。

 「虹の岬の喫茶店」(森沢明夫著:幻冬舎文庫)を、うつらうつらしながら読み終えた。ちゃんと探すか、何かの拍子に道を間違はなければ行けない喫茶店、美味しいコーヒーと素敵な音楽と印象的な絵のある店。現代のメルヘンはこういう設定でなければ形にならないのかなあ。実に「波風食堂」のコンセプトではある。ただ、内海隆一郎の愛読者としては、★★(5段階)の小説。未だ見ていないが。これを映画化した方は偉いような気もする。今日の一曲は「ザ・プレーヤー」(祈り)。この小説で一番泣かせる秋の話で使われている。

http://booklog.jp/users/namikazetateo