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春の遠出

だいぶ前の1枚ですが

 土曜の午後、隣町までのドライブ。蕗の薹の緑が点々と続く静かな道を走り、森に隠れて建っている小さな店へ。新聞に入っていた手書き風チラシが、やっと春になったから来てみるといいよ、と森からの案内状みたいだったから。小さなチーズ5種類と牛肉買い、木イチゴのアイスいただく。同じ町の素敵なパン屋さんは新築してもっと素敵になったと聞いていた。やっと来ることができた、と思ったら全品販売終了。経営のご苦労を少し知っていたのでこれはこれで嬉しかった。一袋残ったパンの耳いただき、「なるほど全品完売なはずね」とママヨさん。波風家はだんだん自家製パンの比率が増し、今は相当の理由がなければ外では買わない。立男は粉が詰まったような少し重みのある家の食パンが大好きなのだ。併設の喫茶室で現役時代にお世話になった方に偶然お会いした。好きで描いているというパステル画を見せていただいた。豊かな気持ちになり嬉しかった。
 二つの店には、経営の理念というか明確な志があるのだが、そういうのが表に飛び出ない高い質の商品が提供されている。前日、おいしいコーヒーを飲ませていただいた、草原に忽然と存在している店も同じだ。気持ちの良い緊張感、高品質の脱力感を与えてくれるところが。

 日曜の午後、少し昼寝して起きたら階下から1年ぶりの香り。知り合いが4月の行者ニンニク届けてくれたのだ。夜は春にしか味わえない餃子にしよう。

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