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「大いなるもの」

若いお坊さんに、簡単に解決出来ない問題で困っている人にどう接すればよいですか、と尋ねた。少し間をおき、これまで勉強してきたことですがと前置きして、自分の力ではない『大いなるもの』にお任せするのが最善ではないでしょうか、と答えてくれた。

 

波風氏は、その意味がわからかったが誠実に応えてくれたので黙ってうなずいた。帰られた後、「分かりません。修行中です」と答えて欲しかったなあと思った。波風氏がまさにそうだからだ。その一日後、「大いなるもの」とはどんなものかやっぱり分からないが、自分の力だけで何とかしようと思うことは間違いなんだろうなあと前より思った。それと、「大いなるもの」には波風氏のちっぽけな善意みたいなものも一滴ぐらい入れても悪くないよね、なんて思った。

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