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ドラマ『珈琲屋の人々』

 先月から再放送された『珈琲屋の人々』(2014年 全5回)、よかった。登場人物ひとり一人が問題を持ち悩みながら生きている。店主の丁寧に淹れる珈琲が狂言回し、レトロな落ち着いた喫茶店に集まる面々、人生の側面がふっと表現される言葉。「こういうドラマが俺は好きなんだなあ」と波風氏、同じNHKドラマ『ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~ 』(2017年)もそう思った。

表面見ているだけでは気づかないが、どんな人も悲しみを抱えて生きているようだ。ただそれを語らないだけ。老いるほどそれは確信に。だから、「今が幸せだ」と口にする人には「実はどんな悲しみを堪えているの?」と思ってしまう。時に「俺は幸せ者だなあ」と思うときがあっても、勘違いだねとつぶやいたりする。
2つのドラマの役者たちは、それを上手に演じていた。言葉にしない内面を、画面に映らない場面であっても感じさせてくれる。

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