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日盛りの読書

読みやすい一冊

快晴が続くようになり、立男は木工、ママヨさんは畑。合間合間に料理し、本を読む。昨日の朝はオヤツにするゼリー(梅のとオレンジのと)、昼は依頼されていた表札を一位の木に彫り、夜は焼売20個作り食べる。挽肉で無くバラ肉を細かく切り乾燥ホタテを戻して加えて美味し。

昼食後の暑い盛りは小一時間本開く。そのまま昼寝ということもあるがそれも一興。
「教わる心はあるけれど、すばやく習う態勢になれない。さっと受け取る身構えにもなれないのである。つまり、習うまでに至る準備時間、誘導の手間がいるのである。親子・他人の別は無い、教えるも習うも機縁である」(平凡社幸田文著、幸田玉編0「幸田文しつけ帳」)。父、幸田露伴から「水は恐ろしいものだから根性のぬるいやつには水は使えない」と言われながら「水の掃除の稽古」の顛末。露伴という人の完璧な衣食住の家事雑用の体得と娘に対する躾けに驚嘆。同時に、そうした学習を流麗簡潔な言葉にできる娘。親子の縁というか血を思う。

絵や文章も、畑も工作も料理も、小中学校時代に習った以外に記憶無く、それを思い出し思い出しやりくりしている今。この本で、教えることと習うことの緊張関係、家事全般の深さと道理、教わる機縁を見逃してきたこと後悔する。雑巾ひとつまともに扱えない。人間的自立の達成度を素っ裸にされて測定できる還暦後、『しつけ』についてどうも間違って理解していたかもしれない。

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