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映画「人生フルーツ」見た次の日に

この頃は、映画館が楽しい。

 「あんまり優しくないなあ」と言ったら、「何よ、人にさせといて。口の開き方が悪いのよ。舌をもっとべーっと出して、喉を開いてちょうだい」と、左手に懐中電灯、右手にピンセットを持ったママヨさん。前にママヨさんの喉元の魚の骨をとってやった時は即解決だったのに立場逆転するとやたら注文が多い。我慢し大口開けていたら、玄関にお客さんが来て、愛想よく対応なんかしている。あっ、今は口閉じていて良いいんだ。接客が長いから、思いついて飯を丸めて飲み込んだら一発解決。「それなら最初からそうすればよかったでしょう」なんて笑ってる。お客さんにもらった魚とフキの醤油漬け。あっ、喉に引っかかったのはこの魚の骨だぞ。

 「デリカシーが無いから離婚届にハンコ押せって言われるんだよな」と、TV(録画した『家族はつらいよ』)を見ていて口にしたら、「わかるの?」と言われた。わかるのって…、どういう意味?みたいな顔で振りむいたら、「本当にわかるの?」と波風氏を一瞥し画面を静かに見ながら微笑するママヨさん。

 TVで見て心に残った映画(「人生フルーツ」)を映画館で見てきた。次の日の今朝。この映画で、二人でつくった暮らし方が、夫の死後、残った方の妻が静かに持続している後姿が強く印象に残った。TVの時は2人の暮らし方、夫の考え方が心に残ったのに、今回は一人で生きるということに。

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