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幸福を考える天丼

微妙な幸福感

「成功」は計量できる事実、「幸福」は各自の価値観に基づく感じ方、考え方で「人格」のひとつであり、両者は同じではないと寝入る前に見たテレビの幸福論。大学の時に読んだ三木清の『哲学ノート』からだった。
戦後の人生は付録だから好きなように生きると漫画を描いているうちに本編になり、いつの間にかゆとりがなくなってしまったというエッセイ、水木しげる著『人生をいじくり回してはいけない』を読み終わった時だったから強く心に残った。この漫画家の生死と生活をくぐり抜けた人間的な、成功と幸福の関係論は深い。

悪性でないと言われた腫瘍、たった一週間の入院が、前回の胃ガン手術の時よりも「死」を意識させない。そのことは良い傾向とは思わない。終末に向かってジタバタしない方向にむかっている兆候なら幸福なことなのだが。
今回の件で、立男は歯医者に自分から行くことができるようになり、ママヨさんは250キロ往復(街中走行含)できるようになった。あきらめから始まる凶の裏は吉の道理。

病室の鏡の顔は、確かに自分の顔で久しぶりだ。瘤をとったおかげで原型を思い出した。そうだよ、こんなしゅっとした良い顔だったよ(笑)難事終了につき明日の退院記念に天丼を食べると昨日から決めていたら、本日の昼食が適量の油としょっぱさと可愛い海老のそれ。嬉しいような嬉しくないような、幸福なようなそうでもないような、リスク回避の健康天丼。あーあぁっ

※画像はその海老天丼。のっぺい汁、からし菜あえ、フルーツつき。病院食がここまで進化しているとは。カツ定食やマーボ茄子丼、二者択一のメニューにも驚いたが。

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