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続き

前回の続き。

体調の悪さや、不幸に見舞われた人に「大丈夫ですか?」と聞くことはしない。それは親しさの装いによる無責任な言葉。本人が俺は大丈夫だろうか何とかなるのだろうかと不安の淵にある時、答えられるだろうか?自分の持っているもの全てを与えることが出来る責任と覚悟あれば別だが。聞き手が安心したいがための安全な岸からの「大丈夫ですか?」は駄目だ。

 

会うたびに「大丈夫か?」と聞く人がいた。殴ってやろうと思ったがそうしなくてよかった。入院していた時、「君が癌になって喜んでいる人なんかいないよ。退院を待っているよ」と励ましてくれる人がいて底にチクっと悪意を感じて眠られなくなった。悲しみを我慢していた時、ある人の一瞬の眼差しに「近づくな」というサインを感じたこともある。

人の悲しみを天候の変化を感じるように受け止められ、自分の思いを過不足なく伝えられる人になりたいな。

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