カウンター

ジーンズのツギ

小さな緑でも何だか嬉しい

「さてさて」を声にして、勢いつけて除雪始める。やっと終わったと思ったら、天はわれに再度試練を与えたもう。静かに静かに雪降り積もりける。天を仰ぎ「最近、体重増えたし、身体も動かしていないもなあ」なあんて自分を慰める多雪の今年。

見開きのA4ノートに線を引き、縦4マス×横3マス=12マス分の囲みを作る。そこに思いつくまま『72歳までにやっておきたい』事柄をメモする。最初に、衣・食・住の終活的な整理で3マス使い、食と住のつながりで「うどん修業」と「波風食堂建設」に2マス使う。今年は、展覧会開催の年だからそれで1マス、淡路島と愛媛のルーツ探訪旅行で1マス、エンディングノート記述再開で1マス、読書計画で1マス、工芸で1マス、健康維持で1マス。残る空白マスが1つ。何だかこの作業だけで、何もしていないのに妙な充実感が湧いてきて(笑)、我ながら笑ってしまう。

箪笥やクローゼットに、もう着ることの無いスーツや替ズボンが吊されている。今後3本あったらこと足りるネクタイ、それがこんなにあったなんてと驚く。この1年、いやこの6年間、一番身につけたのは、息子のお下がりのジーンズだった。シャツは、10年以上前のくたくたに近いのが何とも身体に優しい。昨日、ママヨさんがジーンズのほころびを繕ってくれた。型紙を用意し、同心円のツギをあててくれた。ほころびが上下に2つだから、8の字形のツギになった。こういうのが凄く好きだ。買いたくても売っていないし、何より人の手が入っている。親子2代で大事に履きつぶすのはとても格好良いと思う。

金子兜太さんの句【海とどまりわれら流れてゆきしかな】
流れたくなくても日々流されているわれも、少しぐらいは間違いのようであってもとどまってみたい。そんな暮らしなら「72歳」までだって面白そうと思う今年の2月末。

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