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漫画は難しい、かもなあ

小説は、登場人物たちの行動(場所や季節など含)と会話(内面の思い含)を言葉から想像して楽しむ。生まれて以来の「聞き言葉」(親から絵本を読んでもらう)の発展形、洗練された「書き言葉」の技術だけで完結する物語。読むための特別な約束事は特にない。

 

漫画は、『絵』による登場人物たちの演技がまずある。それが吹き出しの『会話』と一致しているとは限らない。微妙にズレることもあるから漫画は好きだけれど難しいとママヨさん。絵と吹き出しと、ナレーション(神の声みたいな作者の誘導)による多面的表現の物語が漫画特有の味だ。これを楽しむには、上から下に、右から左へ時間が進むコマ割の約束事がある。同一人物ととても思えないデフォルメされた描写だって「漫画なので同一人物です」という暗黙の了解事項だ。

 

漫画でなくては表現できない、と思う漫画に出会ったら嬉しい。小説にそういう感じを持ったことは久しくないなあ。

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