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冬道の神経戦

これぐらいなら大丈夫だが

故郷の葬儀に行く。還暦後、11〜3月は長距離運転しないことにしていた。予報では行きも帰りも晴れ曇りというのでハンドル握ることにした。

帰り道は鈍い鉛色の空の下。「(大雪は)今来るか、今来るか」と恐れながら大雪警報の当地へ帰る。ラジオでは「(当管内では)30センチの記録的な積雪」「アメリカでノーベル賞受賞者の妻、夫の運転で事故死」なんて言っている。2日前の雪がほぼ消えた道は、暖気で融けた降雪と雨が凍り、融けかかったアイスバーン状態でタイヤを乗せる路面を絶えず捜す神経戦。これを5時間半、内休憩10分。対向車とすれ違う度、「お互い、滑りませんように」と真剣に願う。

ママヨさんが、時々代わりますかと言ってくれたが「今日は俺が」と良いとこ見せたら、直ぐに横で寝始める。安心しきっているのか、疲れているのか…隣で緊張されるよりその方がいい。「今来るか」の方は運良く本筋から外れてくれたよう。家に着いて珈琲入れて貰う。ほっとしながら、今日の道のりだって、逝くときは逝くもんだと思った。昨年10月に会った時には元気だった人の葬儀から帰って。

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