カウンター

喪服を着る

老人も映画を観るのだ

 日曜の昼、知人宅訪問。喪服に袖通すことの多い今年前半。帰り際、そういうのは困ります、と後ろから強く言われながら用意したお供えと香典置いてきた。ここは曲げられない、という感じが黒い服だから伝わったのかもしれない。彼の話を生前に彼からきちんと聞いておきたかった。できたはずなのに、そうしなかった自分がなんとも恨めしい。「話をしたい人と話ができないことが、人間の一番の哀しみです」と教えていただいた住職。その方も先月亡くなった。

 重い曇り空、雨も混じってきた。手を会わせてきた帰り道。フロントガラスに映る暗い空を何枚めくったって青空なんかどこにも出てこないような気がすると口にしたら、黒いバックを膝に載せたママヨさんが、「晴れない空はありません」と小さな声で言った。途中、別のお世話になった方に届け物する。喪服姿にギョッされる。
 夜、映画「オケ老人」を観に行く。月に1度は劇場通いの勘定。双葉になった朝顔、二十日大根、インゲンを玄関に入れて寝る。晴れたら、ビニールの破れた苗床を直してやろうと思った。

 月曜は晴れ。担々麺作って食べる。まだレシピ必要な2度目。デザートに今朝作っておいた杏仁豆腐。先週、紀伊國屋で中華のレシピ本2冊買ってきた。午後から、苗床修理する。昨日が嘘のような快晴。今週はずうっと雨が降らない予報。

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