カウンター

青春のカバヤキ

青春のカバヤキ

 70年代末期、立男20代後半の頃。絵でやっていこうと思った。夏休み、ママヨさんは子連れで実家に帰省し、立男は久しぶりの独身生活だった。寝食忘れ絵を描いた。布団背に眠たくなったら寝て、起きている時は絵だけ描いた。そのうち時間の観念も起きているのか寝ているのかもわからなくなった。たまたま訪ねてくれた友人が、「まるで幽霊だな」と鰻屋にタクシーで連れて行ってくれた…そのころはこの街に専門店があったのだ…玄関脇の水槽にウナギが泳いでいた。美味かった。生まれて初めてだった。サンマの缶詰や茄子の疑似蒲焼きじゃ無い本物。
 この1.2年全然口にしてない。資源枯渇、漁業規制のせいでなくママヨ規制だ。何日か前、遠くにいる息子から兄弟でウナギ食べた話を電話で聞いた。青春時代のこと、あの夏のことが突然浮かんだ。

 というわけで、あの頃流れていたカーペンターズの青春のカバヤキじゃなくて、「青春の輝き」。良い曲だな。

http://booklog.jp/users/namikazetateo