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電話帳のこと(上)

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厚さ2ミリほどの電話帳届く。昔は少年漫画週刊誌、少し前は週間文春ぐらいの厚さあった。ケイタイ・スマホが固定電話に取って代わり、掲載拒否も増え、いつの間にか香典返しの海苔みたくなった。正直、無くて困らないが妙に淋しい。

 

昭和の時代、電話帳に載ることは、「我が家は電話を引いている中流家庭」の広報誌みたいなところがあり、ここに住んでいる、こちらの人が、高額な電話債券を購入されて、こんな電話番号を持つことになりましたよと、天下の電信電話公社に無料で天下流布してもらっているわけで、感謝こそすれ嫌う理由は全く無いのだ。馬鹿馬鹿しいといえばその通りだが、白もの家電より高い位置にあったのが電話だ。公社解体で高額債券はハズレ馬券と同じく無価値になったが、それでいて電話帳が一気に凋落することはなかった。会って話をすれば済むことにお金を取られて平気な消費者に仕上げたケータイの誕生と、電話神話の究極悪用のオレオレ詐欺は未だ誕生していなかった。(次回に続く)

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