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ママヨさんの流儀【除雪】

namikazetateo2016-03-07

 ママヨさんの『除雪』には合理性がある。「除雪しようがしまいが、春になれば雪は消える」と密かに思い、見た目消去のその場しのぎの彼とは大いに違う。『削る』と『撫でる』ぐらいの差がある。仕事量に差はないが志が違う。今まで「ご苦労様」と言われても、除雪してくれと言われたことが無かった(ハヤクシロヨと睨まれたことはあったような)。

 3日ほど前、「私の除雪に、昔から文句ありそうな顔つきですが、その理由(わけ)を一つお聞かせ願えませんか?」と聞いた。ママヨさんと波風君は同じ道北地方、寒さ厳しく雪も多い地域の育ちだが、「除雪」に対する基本的な考え方が違うと前々から思っていた。だが、この件でちゃんと話しあったことは無い。

 ママヨさんは子ども時代の冬を静かに語り始めた。秋に収穫したキャベツや大根を、雪の下に貯蔵しておき、それを掘り出し掘り出し食べる、雪は多い時で2メートルありました。水道の代わりの沢水を家まで引き込むパイプ(唖然とする長さ)が詰まったら、手作業で掘り出して中の氷を溶かし再び埋め戻します。それが出来なければ生きていけません。「今度の時」を考えて仕事をしなければだめなんです。生きるには合理性が必要なのだ。家の前の歩道に雪を出さない、窓のはその周りを除雪してから、駐車場と歩道の段差を作らない……この反対のことばかりしてきたことを、街場育ちの彼、波風立男君は恥ずかしい気持ちで思い出すのであった。
 早く雪が降らないかなあ、少し積だけもらないかなあ(笑)

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