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12月14日(月)野坂さんご逝去

歌手、タレント、政治家…作家

 疾走感の大江健三郎「芽むしり仔撃ち」、日本語の奥行き感の安岡章太郎「海辺の光景」、そして1頁全部が一文のぬめぬめした生理的感覚の野坂昭如アメリカひじき」、『文体』のすごみを感じた3大読書体験だった。日本語でこんな表現ができるのかと興奮した20歳前後。

 9日、野坂さんご逝去(享年85歳)の報。あんなに過激で多才で、タバコも酒もやる小説家でも平均寿命ぐらいまで長生き出来るんだ。高畑監督の「火垂るの墓」はとても見られない。昔、ジブリの安心感で見てしまいひどい目に遭った。国語教科書教材になっている「ウミガメと少年」もかなり辛い。こういう目に遭わされた作家は思い出せない。内と外がこんなに違う小説家、珍しい。日本の進路を問うた今年の夏、口述筆記の評論を読んで考えさせられた。本の帯に「遺言」という言葉があったように思う。今に続く昭和の悲劇を表現する作家がまた一人逝った。合掌。

『作家・野坂昭如の公式ホームページ』

 このCMの胡散臭さ、インパクト、なんとも表現しずらい不思議さ。商品名を一度も言ってない。「大物」と1.500円のウィスキ−の関係が不明。最後の「とんとん尖らしの宙返り」が効いてるね。

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