カウンター

「ペコロスの母に会いに行く」

ペコロスの母に会いに行く

 250㌔離れた街に住む母に会いに行った時、お客が自分だけの小さな書店で手にした本書。「ペコロスって何だ?」「ペコロスの母に会いに行くって、変な日本語だな」と思いながら頁開いた。認知症を正面に据えた内容とそれを描ける画力に驚いた。あとがきの「遺族年金を元に母を施設に預けている自分にとって、介護という言葉は縁遠く恐れ多く…タイトル『母に会いに行く』にその気持ちを込めて…」に立ち止まった。作者のはげ頭が実に「ペコロス」=小タマネギ、実写画像もなるほどそうだ、かわいい方だ。老いた母をこんなふうに思う息子の心、こんなふうに表現し自費出版した作者の思いを考える。作者に感謝したい漫画。

昨日、母に会いに行き、帰りに寄った大きな書店でノンフイクション部門売り上げランク9位になっているのを見つけ嬉しかった。それにしても、しみじみとした、漫画以外の何物でもないのに、漫画のジャンルでないのは、いったい…。

http://booklog.jp/users/namikazetateo