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割り箸

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割り箸も侮れない。まず、麺類などをつまむには、塗り箸よりもずっとつまみやすい。断面が四角く、角が比較的尖っているので、麺類にほどよく食い込んで滑落を防ぐ。何より軽い。
割り箸という着想。用いる際に二つに割るのは、一対で仕上がったものを壊す、つまりものの使い初めの小さな儀式が含まれているということだ。初めて用いられ、そして2度と使われない。これは衛生管理上というより、ものごとの「定め」がデザインされていると考えた方がいい。(以下、丸太を角材にする時に捨てられる端材が、割り箸の材料と続く)

 

定期的に買っている『住む。』(19春季号)にあったエッセーから。建築家、原研哉「割箸 端材生まれるの贅沢」。割り箸をこんな文章で。「もの」を上下左右に目配りして、「言葉」で組み立てる。建築のイメージは言葉なのだろう。堅牢な言葉の組み立てが、納得のいく建物を作る。

 

波風食堂の箸、一把一からげの安物の利休箸だが、これ以外使おうと思わなかった。このエッセーで、「そうそう、そうなんだよ」と思った(笑)。
もう少し温度が上がったら開店準備だなあ。

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