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子殺し・弟殺しの証言

民放・NHKの中から優れたドキュメンタリー番組を選ぶ「ザ・ベストテレビ2022」。長時間番組の最後の放送「玉砕の島を生きて テニアン島 日本人移民飲んでいる記録」を録画し昨日見る。

 

いわゆる戦争もの。原爆搭載機を発進したサイパン島の隣にある島、移民8人家族が3人になって帰国する顛末。沖縄のガマ(米軍の攻撃から逃れて隠れ潜んでいた洞窟)で同じ話をガイドの方から遠慮がちに聞いたが、このドキュメントは当事者。我が子を殺さざるをえなかった母と弟に手をかけた長女、奇跡的に生き延びた妹。今になって顔を出して話すことになったいきさつ、気持ちを思う。これまで、文学や説明的な情報(教科書含)には接していても、94歳の母親の存在と言葉に圧倒され息を詰めて1時間18分見入っていた。人間性ギリギリの絶望を時間というものが笑顔で話させている事実に声が出ない。

 

だんだんテレビを録画して見るようになった。何となくスイッチを入れて何となく見ることはなくなってきた。その分、音楽を聞いている。暮らしを楽しくしたり、こういう社会的な番組はほとんど深夜にしか放送されない。

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