カウンター

雑踏の消えた年末

昭和の年末 商店街

晴れ、少しの雪。苦労知らずの一日。除雪当番の最終日、ルール知らないのか守れないのか、呆れる。大学教員時代の卒業生来宅、新任教師ぶりを聞く。中学校時代の教え子から長い手紙来て苦労偲びしばし思う。別の教え子からある依頼の電話来て断る。高校時代の恩師米寿を祝う記念誌届き、先月祝賀会の顔と声など思い出す。

テレビで「石ちゃん 通りの達人」、「TOKYOディ−プ」、「パン旅」、「世界 入りずらい居酒屋」、「出没 アドック街」。ビデオでは「深夜食堂」、「孤独のグルメ」を見る。商店街や飲み屋街、市場(いちば)などの雑踏に惹かれる波風氏。店構えや看板、カウンターやテーブル・椅子、陳列棚や雑貨なども面白い。出てくる料理や商品よりもだ。だから、主人公がウロウロと店探しして緊張しながら入店する場面(「孤独のグルメ」)、オープニングの夜の雑踏風景や小路両脇に並ぶ飲み屋街のセット(「深夜食堂」)は、何度見てもワクワクする。

当地には市場が無い。昔、繁華街に大きいのがあったが大火事で燃え尽き、近所の小さなのはいつの間にか消えた。商店街の名はあっても大半はシャッターが寂しく並んでる。人口が少し大きな故郷の街だって似たようなものだ。たまに帰る時、時間があると用も無いのに、駅から歩いて『市場』(いちば)や『商店街』を通り抜けるが、年々もの悲しさが募る。猥雑というか暴力的というか、うかうかすれば迷子になってしまうような子ども時代の緊張感を思い出すような、街中の雑踏という「暮らしの空気」は昭和とともに消えた。

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